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2025.8.29.FRI

新規事業調査の「闇」? UXリサーチの現場での「忖度」と「バイアス」の罠

大企業の新規事業で当たり前のように実施される定性・定量調査。
その「嘘と闇」に正面から切り込む回です。

「調査してたら詐欺にあった」「ユーザーインタビューが警察の取り調べに似ている」──衝撃的なエピソードとともに、須斎さんが調査の現場で実際に起きている問題を暴きます。

罠1「上申のための調査」

まず指摘されるのが「上申のための調査」問題。

経営層への報告を美しくするために調査を実施し、都合のいい結果だけをピックアップする。本来は「ユーザーの本音を知る」ための手段であるはずの調査が、「社内を説得する」ための道具に成り下がっているのです。

罠2「忖度バイアス」

次に「忖度バイアス」。

ユーザーインタビューでは、質問者の期待に沿った回答をしてしまう傾向がある。
「このサービス使いたいですか?」と聞けば、多くの人が「使いたい」と答える。でもそれは、目の前の人を喜ばせたいという人間の本能であって、実際の行動とは一致しません。

罠3「定量調査の数字マジック」

さらに厄介なのが「定量調査の罠」。

1000人にアンケートを取って「80%が肯定的」という数字が出ても、設問設計にバイアスがかかっていれば数字に意味はない。大きな数字が出ると安心してしまいがちですが、疑うべきは数字の裏にある設計です。


では正しい調査とは?

鍵は「行動を観察すること」。
言葉ではなく行動を見る。アンケートの回答ではなく、実際にお金を払うか、実際に使い続けるかを検証する。


調査の「やった感」に安心していませんか?違和感を感じたことがある方、必見の内容です。ぜひご覧ください!

ARC channel

アークチャンネルは、新規事業開発の実践者たちが好き勝手喋るVTRの内容を、スタートアップスタジオの先輩社員の神谷と、大学生インターンの五十嵐がゆるく、まじめに掘り下げていくトーク番組です。\n\n・大企業特有の「新規事業の闇」\n・スタートアップの人材採用や育成の舞台裏\n・AI時代ならではの企画ノウハウ\nなど、『そこまで言っていいんかい!』な新規事業のリアルに切り込みます。

よくある質問

  • デプスインタビューとは何ですか?

    デプスインタビューとは、対象者と一対一で向き合い、回答の背景にある価値観や行動を深掘りする、定性調査の代表的な手法です。多くても10人程度からしか回答を集められないため、誰を選ぶか(スクリーニング)の精度が、そのまま調査の精度になります。

  • デプスインタビューで本音が出てこないのはなぜですか?

    調査会社のパネルが、謝礼を目的に集まっているからです。募集された課題に深刻に直面していなくても、当事者だという顔つきで立候補します。インタビューにも慣れているため、企画者が納得しそうな模範回答をそれっぽく返します。協力する一歩目の動機からバイアスがかかっています。

  • 調査で「使いたい」「お金を払う」と言われたのに、実際には売れないのはなぜですか?

    払う責任のない利用料に対しては、誰でも財布の紐が緩むからです。好意的なサービスには、ある程度払う前提で回答します。しかし実際に支払いを求めると、目を逸らして口ごもります。支払い意向を問う設問への答えと、今すぐ払えという要求への反応は、まったく別物です。

  • 定量調査なら客観的で信頼できますか?

    同じ問題が起きます。コンサルも企画者も調査会社も、ポジティブな結果が出てプロジェクトが続くことが全員の利益になるため、忖度した数字が集まります。原因は手法ではなく、調査結果を投資判断の材料にしていること自体にあります。

  • 調査の代わりに何をすればいいですか?

    調査の前に、売上を作ることです。課題を持つ当事者を必死に探すことが本当のスクリーニングであり、その人に買ってくれと頼み込むことが本当の需要性検証、実際に買ってもらえたことが本当の利用意向の実証です。上申には調査結果ではなく、ハンズオンで提供して売り上げた数字を出せば足ります。